貸した底地は更地にして返してもらえるのか?

(更新:2020年4月2日)

「まもなく借地契約が終了する」
「借地人が契約期間中に解約を伝えてきた」
「借地契約が終わる時の流れを知っておきたい」

このページはそんな方へ向けて書いています。

借地契約は長い期間続きます。
あなたの底地は先代、または先々代より相続によって受け継がれているものかもしれません。

このままずっと契約は続いていくかもしれませんが、契約終了時について知っておくことも大切です。

借地契約が終わる時、更地になって戻ってくるのか?

返還する場合、更地にする必要があるか?

地主のあたなにとって、借地契約の終え方を知っておくことは大事なことではないでしょうか。

下記にまとめましたので参考にしてください。

  1. 一般的には、借地契約書で更地返しと定めていることが多い
  2. 借地人に認められている建物買取請求権を理解しておきましょう
  3. 借地人は借地権を第三者に売却することができる
  4. 市場価値の極めて低い借地では更地での返還を要求するのが得策

一般的には、借地契約書で更地返しと定めていることが多い

まずはご自身の契約がどうなっているのか、賃貸借契約書で確認してみましょう。
「契約終了時には更地にして返還する」という取り決めになっているのが一般的だと思います。

民法第598条(借主による収去)で下記の通り定められているのがその理由です

「借主は、借用物を原状に復して、これに附属させた物を収去することができる。」
(※注釈 第598条は使用貸借についての条文であるため、別途民法第616条(使用貸借の規定の準用)で「(前略)第五百九十八条の規定は、賃貸借について準用する。」と補足されています。)

この考え方によって、借地人は建物を取り壊し、更地にして底地を地主に返還することが一般的になっています。

借地人に認められている建物買取請求権を理解しておきましょう

しかしながら、旧借地法や借地借家法は借地人を手厚く保護しています。
使わなくなった建物でも、借地人が地主に「買い取って!」と請求する権利が認められています。

旧借地法第4条で下記の通り定められているのがその理由です

旧借地法第4条
「(前略)借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得」

これは建物買取請求権といい、借地人に認められている権利の一つです。

借地人が「建物を買い取ってほしい」という意思表示をした時点で売買契約が成立したとみなされます。
その際、地主の事情は考慮さることはありません。法律的に「形成権」と言われる非常に強い権利になります。

過去の判例によると、合意解約の場合は建物買取請求権は認められない可能性が高いことは覚えておくといいでしょう。
(出典:大判昭和14年2月6日新聞4386号16頁、最判昭和29年6月11日判タ41号31頁)

そのため、地主のあなたが契約更新をしないという通知をし、借地人がそれを受け入れて契約を終了する場合、建物を買い取る必要が出てくると覚えておくといいでしょう

ただし、底地に利用価値のある場合、借地人から借地権が無償で返ってくることは珍しいケースだと言えます。

その場合は、建物を買い取っても借地契約を終了させることにメリットがあるかどうかを判断して決めるといいでしょう。

なお、この買取請求の対象は、借地権ではなく建物本体(時価で計算します)です。
そのため、建物が古い場合は分減価償によって、買い取りを検討しやすい金額になっていることが多いでしょう。

借地人は借地権を第三者に売却することができる

地主と借地人の合意によって、契約が終わる場合については説明しました。

前にも説明した通り、借地権に経済的価値がある場合は無償で戻ってくることは考えづらいでしょう。

不要になった借地権は、第三者へ売却すれば換金できます。
地主は承諾料をもらうことができますが、よほどの理由がない限り売却を認めないということはできません。

その代わり、地主に認められている先買権(介入権)という権利を行使して、第三者へ売られる前に借地権を買うことは可能です。

多くはこのパターンに落ち着くことが多いのではないでしょうか。

市場価値の極めて低い借地では更地での返還を要求するのが得策

東京都内の底地では該当しないことが多いと思いますが、最後に経済的価値のない借地権や底地でのケースをお話します。

借地人が契約を終了したいと通達してきた場合、地主は借地人に更地にして底地を返却するように伝えるのがいいでしょう。
借地権に経済的価値がないため、借地人は第三者へ売却することは難航することが予想されます。
地主のあなたにとっても、お金を出して借地権を買う必要性はありません。

その場合、合意解除になりますので建物買取請求権は発生せず、建物の解体費用は借地人が負担をすることになります。
取り壊す費用も少なくない金額がかかりますので、更地にして返却してもらうことが大切です。

まとめ

今回は、借地契約が終了し底地が戻ってくる場合の流れについて説明しました。

結論から言うと、更地になって戻ってくるケースは稀だと思われます。
借地権に経済的価値があれば売買の対象となりますので、借地契約は合意によって解除されることは合理的ではないためです。

ただし、借地権に値がつかないような場合は、更地にして返却してもらう方が望ましいと思われます。

参考になれば幸いです。

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