「地主の承諾書」なるものにサインしても大丈夫か?

(更新:2020年4月10日)

「借地人が持ってきた金融機関の承諾書類の内容を知りたい」
「地主の承諾書にサインをするとどうなるのか知りたい」
「地主の承諾書で気をつけるべき内容は何か知りたい」

このページはそんな方へ向けて書いています。

「地主の承諾書」とは

借地人が「抵当権設定の承諾書」を持ってきて、驚かれた地主の方もいらっしゃるでしょう。

何かを承諾してほしいという内容ですので、思わず構えてしまうのも仕方ありません。

結論からお伝えすると、「地主の承諾書」とは借地人が借り入れを返済できず、建物が金融機関の所有に変わった場合、地主は金融機関に借地権を認めることを承諾する書面です。

では内容を見てみましょう。

「地主の承諾書」に記載される内容

一例ですが、「地主の承諾書」の文面を紹介します。

  1. 私(地主)は、借地人が「木造・準耐火構造・耐火構造(1つ選択)」の住宅を建築することまたは所有することを承諾します。
  2. (地主が借地人の配偶者または直系親族の場合)地主は、借地権者がこの土地にこの金融機関を第一順位とする抵当権を設定することを承諾します。
  3. (地主が借地人の配偶者または直系親族ではない場合)地主は下記のいずれかを承諾します。
       ・借地人がこの土地にこの金融機関を第一順位とする抵当権を設定すること。
      ・土地に抵当権等の権利が設定されている場合は抹消し、借地人の地代不払いによる契約解除をする前にこの金融機関に連絡すること。
  4. その他事項

金融機関により内容は異なりますが、大筋はこのような内容になっていると考えられます。
詳しく知りたい場合は、「地主の承諾書」で検索してみてください。

「地主の承諾書」を読み解く

では、なぜこのような内容が記載されているのでしょうか。
その理由は、金融機関が設定する抵当権に関係があります。

家を現金で建てる人はほとんどいません。
大抵は金融機関から融資を受けて、つまりお金を借りて住宅を購入します。

金融機関は融資をする際、返済が滞ってしまった場合に備えて建物に抵当権を設定します。

借地権の土地の上に家を建てる場合、金融機関は建物に抵当権を設定するだけでは足りません。
抵当権が実行され建物を取得したとしても、地主が底地の利用を認めないと主張したら困るからです。

しかしながら、実際は地主の承諾がなくとも借地上の建物に設定された担保権は、建物所有権の従たる権利として借地権にもその効力が及ぶようです。(最判昭和40年5月4日、民集19巻4号811頁)

「地主の承諾書」の目的とは

では、金融機関はなぜ「地主の承諾書」を提出させるのでしょうか。

その目的は、地代未払いによる契約解除を防ぐためではないかと思われます。
「(前略)借地人の地代不払いによる契約解除をする前にこの金融機関に連絡すること。」という一文がありました。

借地人の地代未払いを理由に借地契約が解約されてしまうことを金融機関は心配しています。
そこで、地主に契約解除前に連絡させることを義務に規定しているのでしょう。

まとめ

最後に、「地主の承諾書」に承諾をする必要はあるのでしょうか?

地主の立場から考えると、抵当権の設定を認めることには抵抗があるのではないかと思われます。
借地契約に精通していない限り、何がリスクになっているのかきちんと理解する必要があります。

金融機関もそのことを理解していますから、代案を用意しているのだと思います。

よく理解をした上で、サインをするのであれば問題ありません。
ただし、要請されても地主が承諾書に承諾をする義務はないことも覚えておくといいでしょう。

抵当権を設定しなくとも、地代滞納のたびに金融機関へ報告する義務が発生します。
これを面倒に思う地主の方も少なからずいらっしゃるでしょう。

これらをよく考えた上で承諾をする必要があります。
建替承諾料とセットで考えるという地主もいらっしゃるかもしれません。

参考になれば幸いです。

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